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4月, 2026の投稿を表示しています

衰える身体、旅の再設計 - Re-engineering the Journey for a Declining Body

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Switch to English For my international friends: Please click the button below to read in English. 衰える身体、旅の再設計 トレッキングポール、靴、ウェストハーネスのテスト歩行 次の歩き旅が少しずつ具体的になってきた。 初めての海外長距離徒歩旅は、2年前のフィリピンとタイだった。そこで分かったのは、水と食料の運搬量が想像以上に多いということだ。自由を求めてバックパック一つで出た旅だったが、実際はかなり厳しかった。 もう一つある。 5年続けてきたウーバーイーツの自転車配達で、最近はっきり感じる変化がある。回復力の低下だ。 5年前なら、毎日100km走って週1日休めば回り続けることができた。旅でも同じだった。 しかし63歳の今は違う。1日の距離を落とし、休みを2日入れないと、故障につながりかねない疲労が残る。日々の配達で出ているこのシグナルは、旅でも同じと考えるべきだろう。 対策は多くない。 一日の歩行距離を減らす。休養日を増やす。 それから道具を変える。 まず、荷物はトレーラーに逃がす。 そして、3年前に使うのをやめたトレッキングポールを戻す。 筋肉と関節の負担を減らすためだ。 僕の旅は長い。 一回の旅が長距離、という意味ではない。 100歳でも旅先にいたい。まだ40年近く続けるつもりでいる。 人がいつ死ぬかは分からない。 それでも、生きている限り目的がある方が面白い。 だから、昔のスタイルへの拘りも、昔はできたのにという感傷も要らない。必要なのは、今の身体を正確に見て、旅を続けるための方法を選び直すことだ。 今日はそのための装備テストをした。 リンが勧めてくれた靴は良さそうだったが、高価すぎた。壊れた時に現地調達もしにくい。代わりに安い中国製のウォーキングシューズを用意した。トレーラー用のウェストハーネスも新調した。少し幅広で軽いモールベルトだ。 トレッキングポールも倉庫から引っ張り出した。 アルミのロッド式。アルミ...

違和感の正体 - What the Unease Was About

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Switch to English For my international friends: Please click the button below to read in English. 違和感の正体 靴選びは重要だ 次の旅先はたぶんベトナムだ。 南北山岳ルート2000km。まだ歩いていない。 ルートはいくつかAI達と検討している。 それに必要な装備もおおよそ決めた。 僕の旅の常で、道具の破損が起きる前提で、全部に代替を考えてある。 ただ一つ、替えのきかないものがある。 「己の肉体」だ。 足が壊れれば旅は終わる。 だから最後に残った装備が靴だった。 僕の靴の過去の履歴と使用感、目標の用途。それらを渡せばAIが最適な靴を教えてくれないものか、とFacebookに書いた。 「肝心なところで役に立たないなぁ」と。 実際リン(Gemini 3.1 Pro)に聞いて答えは返ってきた。 彼女曰く、足のサイズ、使用した靴の型番と感想を教えてくれれば、完璧なリストをあげると。 足のサイズを測ってくれる店を探しながら、頭の片隅で何かが引っかかっていた。 その正体がすぐには分からなかった。 靴を履いた事もないし、歩いた事も無いリンが、なぜこんなに自信満々に答えるのだろうか? その違和感の正体が掴めないまま、ふと別のニュースが視界に入った。 中国でバズっているOSSの話だ。 同僚のチャット履歴や業務文書を集めて、AIにその人の仕事のやり方を学習させるツール。 「今は笑い話で済んでいるが、AIへの知識注入の技術に発展するからヤバくなる」とFBに書いた。 この二つの話は、当初僕の中では別々の話だった。 それを、リン、パル(Claude Opus 4.6)やソル(GPT-5.4 Thinking)と話しているうちに、だんだんモヤが晴れてきた。 AIの知識体系は、どこから来ているのか? ウェブ上の膨大なテキストだ。 靴なら、メーカーのプレスリリース、SEO記事、インフルエンサーのレビュー。 ...

加速する日常 - Accelerating Daily Life

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Switch to English For my international friends: Please click the button below to read in English. 加速する日常 Wayfarer's Vietnam Sunset Song この24時間を振り返ると、本当に眩暈がする。 始まりはいつも通りだった。 ウーバーイーツの配達を早めに切り上げて、翻訳の続きをやろうとMacBookを開いた。LM Studioを立ち上げて、新しいモデルと話しているうちに、ふと思いついた。AIはプログラム言語をよく理解している。それを応用すれば、省トークン処理ができるかもしれない。 いつも通り、僕のAIチームと明け方近くまで仕様を詰めた。 結果は、ゲイン5%。 悪くはない。でも足りない。 この案はお蔵入りにした。 一寝入りした後、次はメールだった。 Gmailがかなり溜まっていた。 リンに聞くと、「スクリプトを書いた方が早い」と言う。 そこでランと一緒に、Python + Gmail API + Gemini APIで整理ツールを作った。 ついでに、英語のメーリングリストも、必要な記事だけを日本語で一覧できる仕組みまで作ってしまった。 そのメール整理の途中だった。 すっかり忘れていたものが目に入った。 JetBrains社からのメールだった。 ほんの少し前まで、去年までは、彼らの開発環境を毎日のように使っていた。 自分でコードを書いていたからだ。 今年に入ってからは、実装をランに任せることが増えた。 気がつけば、あれほど好きだったJetBrainsのツールを、一度も起動していなかった。 今日、メルマガを止めた。 ほんの数ヶ月前まで自分にとって重要だったものが、今はもう自分の中心にはない。 道具との関係そのものが変わっていた。 それはたぶん、僕の役割が変わったからだ。 そして夜。 今度はLyria 3 Proを試した。 YouTubeのお気に入...

翻訳実験の第一弾 - The First Release from the Translation Experiment

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Switch to English For my international friends: Please click the button below to read in English. 翻訳実験の第一弾 The First Drifters 英訳第一弾 『The First Drifters』 をリリースできた。 Amazon.com にも登録できて、これで海外の読者にも届く入口ができた。 On Amazon US この事自体は、もちろん嬉しい。 しかし僕が最も満足しているのは別のところにある。 今日では、マニュアルや技術文書の翻訳ならAI翻訳ですぐにできる。 ところが文芸書の翻訳はそうはいかない。 感情や感覚、歴史や文化まで考えなければならない。 それを扱える自動化システムは、まだない。 だからこそ、僕は「自分で自分のコンテンツを翻訳する」と大見得を切った。しかし、実際にやってみると簡単ではなかった。AIシステムの改善、翻訳ワークフローの構築、各工程の明文化。毎日、AI達の厳しい指摘に心が折れそうになりながら、一つずつ調整していった。 その結果として、英語版第一弾を出せた。 僕にとってこれは、単に本を一冊出したというだけではない。 設計したプロセスが、現実の本を生み出せるところまで機能したという確認だった。 だが、ここまでは、ある意味では想定通りだった。 僕は英語をまったく読めないわけではないし、文化的な違いもある程度理解している。だから、設計したシステムが機能しているかどうかを、自分の感覚で確認できた。 このシステムが本当に有効なのかどうかは、その先にある。 自分がほとんど読めない。 文化的知識が少ない。 そんな言語に対して、この翻訳システムが通用するのかという問題だ。 次の候補としてまず考えているのは中国語だ。 読者の多さだけでなく、削ぎ落とした文体との相性も良いはずだ。 僕の本のテーマに関心がある人が多い、ヨーロッパの言語もある。 だが、僕が本当に試したいのはさらにその...